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あかねちゃん便り 3月号

最近ニュースで水泳選手の池井璃花子さんが白血病だと発表して話題になっていますが、今回は「急性骨髄性白血病の最新治療」についてのお話です。

白血病といっても、急性や慢性、リンパ性や骨髄性またその中でも色々な分類に分かれていてかなりの種類があります。池井選手の白血病がどのタイプかは分かりませんが、今回はその中の一つ「急性骨髄性白血病」についてお話します。

急性骨髄性白血病(AML以下AMLと記載)は侵襲性が高いガンの一つで、高齢者に多く発症することが知られていますが、造血器の悪性腫瘍は発生頻度が低く、成人の急性白血病の中で最も多い急性骨髄性白血病でも10万人に5人程度です。

AMLは、骨髄の中にある造血幹細胞に異常が生じることによって血液細胞ががん化して、骨髄の中で無制限に増殖します。正常な造血が抑制され赤血球が減少することにより、動機・息切れ・倦怠感が現れます。また、白血球細胞の増殖によって発熱が見られるようになります。

AMLの発症には遺伝子異常が関係しているといわれています。

AMLの治療は化学療法と造血幹細胞移植が中心で、治療成績は15~59歳では年々上がってきています。しかし60歳以上については移植療法の恩恵を受けにくいこともあり治療成績はあまり伸びていないようです。

これからの治療に期待されているのが、分子標的療法や免疫療法です。分子標的療法は抗がん剤のように白血病細胞と正常な造血幹細胞の療法を攻撃せず、腫瘍細胞だけを選択的に攻撃するため副作用を抑える事ができます。

現在、日本国内では急性前骨髄球性白血病に対する薬と、再発・難治性AMLに対する薬が使用されており、製薬メーカー8社で新たな分子標的治療薬の開発が進められています。

池井選手も病気を克服して、是非また活躍して頂きたいと思います。


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